特許法:「送達」及び「送付」まとめ

弁理士

送達

「送達」について、特許庁のウェブサイトでは以下のように定義されています。

民事訴訟法においては、所定の方式に従って、当事者等訴訟関係人に対して訴訟上の書類を交付し、かつその行為の公証を行う裁判機関の訴訟行為をいう。送達は、原則として送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付することによって行われるが(民事訴訟法101条)、その他出会送達(民事訴訟法105条)、差置送達(民事訴訟法106条)、書留郵便による送達(民事訴訟法107条)、公示送達(民事訴訟法110条)等によることもある。特許法においては、例えば審決(特許法157条3項)、判定(特許法71条3項)、審判請求書の副本(特許法134条1項)、答弁書の副本(特許法134条3項)等が、送達する書類として規定がおかれるとともに、民事訴訟法の送達に関する規定の一部が準用されている(特許法190条)。また、公示送達について、特許法は、民事訴訟法と別の規定をおいている(特許法191条)。なお、実用新案法、意匠法、商標法についても、特許法と同様に審決等は送達する書類として規定がおかれているとともに、特許法の送達の規定を準用している(実用新案法55条、意匠法68条、商標法77条)

そ|用語解説 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

送達をする主体としては、特許庁長官、審判長及び裁判所のみです。以下、それぞれの主体について、送達する書類、送達を受けるべき者等についてまとめます。

なお、今のところ備考欄は充実していませんが、今後気が向いたら準用する条文を入れておきます。

特許庁長官による送達

条項送達する書類送達を受けるべき者備考
(査定の方式)
第52条第2項
査定の謄本特許出願人
(答弁書の提出)
第84条
請求書の副本その請求に係る特許権者又は専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者
(裁定の謄本の送達)
第87条第1項
裁定の謄本当事者、当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するもの及び第八十四条の二の規定により意見を述べた通常実施権者
(決定の方式)
第120条の6第2項
決定の謄本特許権者、特許異議申立人、参加人及び特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者
(審決)
第157条第3項
審決の謄本当事者、参加人及び審判に参加を申請してその申請を拒否された者
特許庁長官による送達

審判長による送達

条項送達する書類送達を受けるべき者備考
(答弁書の提出等)
第134条第1項
請求書の副本被請求人
第134条第2項手続補正書の副本被請求人
第134条第3項答弁書の副本請求人
審判長による送達

裁判所による送達

条項送達する書類送達を受けるべき者備考
(査証報告書の写しの送達等)
第105条の2の6
査証報告書の写し査証を受けた当事者
(秘密保持命令)第105条の4第3項決定書秘密保持命令を受けた者送達する主体の記載がないが、裁判所か
(秘密保持命令の取消し)
第105条の5第2項
決定書秘密保持命令の申立てをした者及び相手方送達する主体の記載がないが、裁判所か
裁判所による送達

送達のまとめ

送達する主体はだいたい特許庁長官ですね。審判長が主体になるのは、答弁書の提出等関係のみ。裁判所が主体になるのは、最近法改正により導入された査証制度と、秘密保持命令関係ですね。

送付

「送付」について、特許庁のウェブサイトでは以下のように定義されています。

特許等の手続きにおいては、当事者に対し、当該手続きに係る文書を交付すること。送達とは異なり、その行為に公証は伴わない。

そ|用語解説 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

送付をする主体としては、審判長及び裁判所のみです。以下、それぞれの主体について、送付する書類、送付を受けるべき者等についてまとめます。

審判長による送付

条項送付する書類送付を受けるべき者備考
(申立ての方式等)
第115条第3項
特許異議申立書の副本特許権者
(意見書の提出等)
第120条の5第5項
特許の取消しの理由を記載した書面並びに訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面の副本特許異議申立人
審判長による送付

裁判所による送付

条項送付する書類送付を受けるべき者備考
(出訴の通知等)
第180条
第179条ただし書に規定する訴えに係る請求項を特定するために必要な書類特許庁長官
(裁判の正本等の送付)
第182条
第179条ただし書き各号に定める書類特許庁長官
裁判所による送付

送付のまとめ

送付はこれだけですね。審判長が主体になるのは、異議申立の関係のみ。裁判所が主体になるのは、当事者系審判に対する審決取消訴訟の関係のみ。

まとめ

以上、「送達」と「送付」についてまとめてみました。

「謄本」については、必ず特許庁長官が「送達」することになりますね。

審判長は、「送達」と「送付」とのいずれにしても、その対象は「副本」と言えそうですね。

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